オールラウンダーを目指す

 
専門性より多様性
 
 
一昔前は、広告代理店や出版社などに専属の社員カメラマンが在籍していましたが、今では外部に依頼するようになり、フリーランスが活躍できる時代になりました。
従来は大学の写真学科、写真の専門学校を卒業してから、スタジオや助手などの下積みを経て独立という流れでしたが、今は写真学校や助手の経験なしに、プロカメラマンになることは可能です。
カメラなどのハード面の扱い方が容易になったこと、職人的な技術が必要だった暗室ワークが不要になったことで、その修行期間が短くなったことです。
 
カメラがフィルムからデジタルになったことで、撮影ジャンルが変わっても応用が利き、巨匠クラスは別として、何でも撮影できるフットワークの軽いカメラマンが、結果的に仕事を得やすいという現状があります。(ただし、写真家は専門性重視です)撮影ジャンルによっては、繁忙期と閑散期があり、閑散期は死活問題です。
オールラウンダーは様々なジャンルを撮影するため、閑散期はありません。
最近では写真だけでなく、映像も撮影、文章を書くなどの業務を併用するカメラマンもいますが、僕の場合、いろんなジャンルを撮影しているので、写真だけで多くの仕事があります。
 
これまでのカメラマンは、1つのジャンルを突き詰める専門性が強く求められてきました。
今は何か一つのジャンルを極めるより、自分が持っている得意な分野やコンテンツを組み合わせることで、新しいオリジナリティーを生み出す時代にきています。独自性を持つことで、他のカメラマンとの区別化になります。
 
僕は料理を作るのが好きです。でも料理人ほどの技術はありません。
僕は旅が好きです。自転車やオートバイに乗ることも好きです。
 
一流の料理人、プロの自転車やオートバイのレーサー、世界中を旅する冒険家、それぞれのプロになるには、相当な時間と努力が必要です。でも料理を作るのが好きで、自転車やオートバイに乗っていて、旅が好きなプロのカメラマン。キーワードを組み合わせば、他のカメラマンにはない、自分だけの価値観が作れます。
料理撮影や自転車の撮影依頼があり、旅好きが興じて写真集を出版するまでに至ります。
 
  クライアントを多く持つこと
 
 
オールラウンダーになると、多くのクライアントとお付き合いすることになります。
毎月コンスタントにお仕事をいただくクライアントもいれば、月に一度、または年に一度決まった撮影でお付き合いのあるクライアントもいます。
クライアントを複数持つことで、依存しない関係性が保てます。
クライアントにもいろんな事情があり、不景気で業績不振、担当者の変更、その他の理由で突然仕事が切られる可能性もあります。こちらの都合ではなく、相手方の都合となると、自分ではどうすることもできません。 そのような場合、複数のクライアントとお付き合いがあると、収入が激減するリスクを回避できます。
1社のみの依存型の場合は、無理な要望にも応える必要がありますし、こちらの意見が言えない関係にもなります。報酬や条件などの交渉も難しくなるので、カメラマンにとっては不利な立ち位置になってしまいます。
 
フリーランスであれば、少数よりも多数のクライアントを持つこと。これが鉄則です。
 
  オールラウンダーになるには
 
僕のカメラマンとしてのスタートは、撮影スタジオの助手でした。 助手はそのカメラマンについて現場を見てテクニックを覚えます。
スタジオ退社後も、それぞれの分野で活躍しているカメラマンの現場で助手をすることで、技術を学びました。
今では書籍、インターネットなどで様々な技術が学べますし、カメラマンのタクマクニヒロさんが、写真講座のDVDを販売されています。 こちらでは人物撮影について、多くのことが学べます。
技術は実践することで自分の中に取り込まれていきます。最初の頃は経験値を上げていくことに専念しましょう。
フィルムと違ってデジタルはすぐにカメラやPCのモニターで確認できますし、撮影データもノートに書く必要がなく、デジタルデーターとして自動的に記録されます。
最初は小さな仕事から。報酬が少なくても仕事であれば責任感が持てます。経験を積むことで、より大きな仕事へのオファーが来る可能性があります。
人物、商品、建築、それぞれの分野で活躍してるカメラマンの写真集やホームページ、SNSをチェックすることも重要です。写真に関するアドバイスが無数に発見できます。
 
オールラウンダーは、何でも撮ってやろうという貪欲さが必要です。
 
  オールラウンダーの魅力とは
 
オールラウンダーの魅力は、何と言ってもいろんなフィールドで撮影ができることです。
今日はモデルさん撮影、昨日は料理撮影、明日は報道撮影と、日替わりで撮影内容が変化するので、仕事に飽きることがなく、日々新鮮な気持ちで写真と向き合うことができます。
いろんな現場で撮影することで、引き出しがどんどん増えていき、被写体やクライアントとのコミュニケーションがより図れるようになります。
 
カメラマンに大切なのは、撮影技術、営業力、それに加え、人間力だと思っています。
オールラウンダーは、いろんな現場で様々な価値観と出会い、柔軟な姿勢で対応できる術を身につけます。広い視野を持つことで、それぞれの違いを認め合う、それが人間力に繋がるのではと思っています。
 
様々な技術と価値観を身につけながら、独自のコンテンツを組み合わせて、新しいスタイルを提唱していく。それが僕の思うオールラウンダーです。
 
 
読んでいただき、ありがとうござました。次回をお楽しみに♫ 
 
 
2017年4月21日 武壮隆志-むそうたかし