カメラマンクエスト、第三話(光と闇)

 
冒険者(カメラマン)の光と闇
 
武器(カメラ)が、フィルムからデジタルへ。
地図(パソコン)の普及とともに、オープンワールド(インターネット)になった。
それによって冒険者(カメラマン)の数も一気に増加することになった。
昨日まで鍜治屋や宿屋、商人だった者が、冒険者(カメラマン)に転職するケースも日常的だ。
冒険者(カメラマン)は、国籍や年齢、性別、宗教、思想、資格が問われない。 必要なのは健康な身体と実力。
 
そして新しいタイプのギルドが誕生した。 大規模ギルド(某フォト企業)だ。
冒険者(カメラマン)は性質上、職人気質や自由気ままな一匹狼が多い。それを大規模ギルドは組織化して、広告や勧誘で彼らを取り込んで行った。
 
そこでの仕事はどんなものなのか。
彼らは様々なフィールドに送り込まれ、一日で数千から数万回、ひたすら武器(カメラ)のシャッターを切る。
私たちは、装備品に数百万ゴールドをかけている。ところがそこで得られるゴールドはわずか1件10000から20000ゴールド。
武器(カメラ)や防具(レンズ)は消耗品で、シャッターには耐久回数があることを、君も知っているだろう。
私の愛用している5D mark4のシャッターユニットは、キヤノン公式では15万回。
このような仕事を請けると、場合によってはわずか数回の撮影で、大切な装備品を破壊してしまうことになる。
私が冒険者(カメラマン)を志した頃は、旧式武器(35ミリカメラ)はフィルム1本で36枚。10本撮影してもシャッター回数360回。それがまさか一日で数万回になるなんて誰が予測しただろう。。
 
私たち冒険者(カメラマン)はそれぞれ何らかの想いがあって、この地(フィールド)に降り立ったはず。
武器(カメラ)を通じて、ある者は被写体と向き合い、別の者は広大な風景と向き合う。そして丁寧に一枚一枚シャッターを切る。
丁寧な仕事をすることで依頼者に喜ばれ、職人的な技術を持つことで、人々から尊敬もされてきた。
 
だが、一日に数万回シャッーターを切る冒険者(カメラマン)たちは、一枚の写真それぞれに想いを込めることができるのだろうか。。
武器(カメラ)のオートマティック機能が発達し、装備だけではなく、扱う者自身が機械のようにシャッターを切っていないだろうか。
 
ある者は、まるで自分が機械のようになったと感じ、そのギルドを去った。
また別のある者は、自分の仕事に誇りを持つことができないと嘆いた。
そして彼らは冒険者(カメラマン)ではなく、機械兵(シャッターマン)と呼ばれるようになった。。。
 
そこでどんなに結果を出したとしても、条件や報酬はさほど変わらない。
逆に自分より若くて、安い報酬でその仕事を請ける者が見つかれば、その者へと仕事が流れていく。
私が大規模なギルドをすすめないのは、どんなにそこで結果を出しても、交代要員が存在するからだ。
 
撮影した数万枚の写真の中で、実際に必要とされるのはごく僅か。
デジタルデータ化されたほとんどの写真は処分されていく。。
写真を愛する私にとってそれは耐えられないし、それが本来の冒険者(カメラマン)の仕事だとはとても思えない。
もちろんそれぞれの事情があるし、生きるために仕事をしなければならない。
だが、そのような大規模ギルドしか経験したことがない冒険者(カメラマン)たちは、他の現場を経験していないことで、比べる基準がない。
 
結果として大規模ギルドの出現は、大勢の冒険者(カメラマン)に仕事を与えたが、失ったものはそれ以上に大きいと私は思う。
 
では、小規模ギルド(街の写真館)などはどうだろうか。
良くも悪くも代表者であるオーナーの個性が出ているように思う。
システム化されていないことで、そこに昔ながらの人情を感じれるかもしれない。
いい親方と出会えたなら、スキルが上がるだけでなく、仕事の楽しみも知ることになるだろう。
 
小規模ギルドと大規模ギルドには、決定的に違う点がひとつある。
それは小規模ギルドの代表者は冒険者(カメラマン)である、もしくは過去に経験があること。
大規模ギルドの代表者にはその経験がないこと。
これが何を意味するのか、君にはわかるだろうか。
 
君が一時的に小規模ギルド、大規模ギルドのどちらかで仕事をしても、
初期の頃の透明で真っ直ぐな感性を、周囲の環境に流されて磨耗しないように。
そして、自分の進むべき、職業クラス(撮影ジャンル)を決して忘れてはならないぞ。
 
  

 
次回は、地図(パソコン)で検索になかった、
他の職業クラス(撮影ジャンル)で仕事をするための情報を君だけに教えよう。
この世界で活躍できるのは、情熱と好奇心、自分を観察し、注意深く物事を見つめる眼を持つこと。
 
 
2017年3月7日 むそう戦士